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第11回全国夕陽サミットin滋賀県長浜市―長浜宣言

長浜宣言

満々と水をたたえる水面にさざなみが立ち、やさしい風がさわさわと流れてきます。振り返ると稲穂が頭を垂れ、里山が幾重にも連なり伊吹の峰へと続いています。先人から引き継いできた私たちの奥深い記憶が、この土地の豊かさを実感させます。

今から四百数十年前、この地は信長、秀吉、家康の三英傑をはじめ数多の武将が駆け抜け、幾度となく戦いが繰り広げられました。その戦いの一つ、一つが日本史を大きく転回することになる激戦でした。繰り返す戦いの終わりに、今の私たちと同じように湖面を照らす夕陽を彼らもまた眺めていたことでしょう。戦いに疲れた喪失感だったのか、今日も生きながらえた安堵感だったのか。明日の好転、倍返しに思いを託していたのかもしれません。でも、きっと故郷に残してきた妻子を想い、夕映えに身をゆだねたのではないでしょうか。そして、故郷に残る妻子も主の無事を夕陽に願っていたのではないでしょうか。

凄惨な合戦が繰り広げられたにも関わらず、現代の私たちは逆に癒しの場としての地力をこの地に感じます。おそらくそれは、戦火を逃れて今も多くの観音様がおられること、なだらかな里山と常に美しい水で満ちた琵琶湖の存在があるからではないかと思い至るのです。そして、一日も早い平和の訪れを願ったであろう武将の妻たち―お市、ねね、千代...。彼女たちの思いもこの地の深層に刻まれているのかもしれません。

そう、ここ長浜は現代の我々の業、いにしえの兵どもの夢の跡をやさしく包み込む観音様の慈悲のような「女性性」が満ちているのです。その土地を毎日一日も欠かさずに夕陽が照らします。母なる湖の照り返しも私たちに注ぎます。

長浜の夕陽は、やさしい夕陽。観音様の笑みがさらに映え、湖も、里も、山も、城も、古戦場も暖色に染めていきます。そして隣のあなたも。

この夕陽が未来永劫みられるよう、この地の風土、歴史文化、自然を大切にしていくことを宣言します。

2013年9月23日


第11回全国夕陽サミットin長浜 参加者一同

宣言文朗読
Lefa 北川 陽大