夕陽と語らいの宿ネットワークは、夕陽にこだわった宿・地域づくりに取り組む宿泊施設の集いです。 お問い合わせお問い合わせ
夕陽と語らいの宿ネットワークウェブサイト
夕陽と語らいの宿とは 会員施設 特別会員 トピックス 夕陽サミット 今日の夕陽
トップ > 夕陽サミット > 第20回全国夕陽サミットin香川県小豆島

第20回全国夕陽サミットin香川県小豆島

持続可能な観光と夕陽

第20回全国夕陽サミットin香川・小豆島が2023年9月24日、オリビアン小豆島夕陽ヶ丘ホテルで開かれました。いま四国や小豆島で熱心に取り組まれている持続可能な観光(サステナブル・ツーリズム)やSDGsをテーマに掲げたシンポジウム、持続可能な小豆島のシンボルとして夕陽を見立てた夕陽観賞会などが行われました。島の人たちを含めて約70人が参加しました。

夕陽サミットin香川県小豆島
オリビアン小豆島夕陽ヶ丘ホテルの芝生広場から望む夕景。
日の入り直前に厚い雲の間から夕陽が顔をのぞかせた

唯一無二の島財産を残す

第20回全国夕陽サミットin香川・小豆島は、夕陽と語らいの宿ネットワークの岸本一郎会長が「人とのつながりを大切にしてきた会です」とあいさつし、第20回の記念サミットが始まりました。

記念講演として開催会場のオリビアン小豆島 夕陽ヶ丘ホテル・笠井寛総支配人「夕陽への想いと夕陽ヶ丘ガーデンホテル構想」と題して話しました。

笠井さんは、小豆島が古くから石の生産地として全国各地と交流してきた文化が残り、今も日本の原風景が点在していることを挙げ「小豆島の唯一無二のものを残していくことが観光業に携わる我々の使命です」。

また、自身が若いころに脱サラしたことに触れ「今日まで厳しい道のりでした。その時に、私に勇気を与えてくれたのがふるさと屋形崎の夕陽です」と話し、ホテルの役割として①都市と地方をつなぐ好循環を生むこと②ふるさとを美しい村に還したい③親子で楽しめるワンダーランドをつくっていくと語りました。

そして「5年後には施設内にワイナリーを建て、南仏をモデルに瀬戸内の食材とワインを楽しめるようにします」との構想を述べ、小豆島をサステナブルツーリズムの先進地にする意向を示しました。

続いて、土庄町の岡野能之町長、小豆島町の大江正彦町長、四国ツーリズム創造機構の半井真司代表理事によるパネルディスカッションが行われました。

講演とパネルディスカッションを踏まえ、第20回夕陽サミットの「小豆島宣言」が参加した全員の賛同を得て採択されました。

夕陽サミットin香川県小豆島
約70人が参加した夕陽サミットのシンポジウム

サステナブル・アイランドに 世界から選ばれる小豆島へ

いま「持続可能」が四国観光のテーマ。四国ツーリズム創造機構の半井さん、土庄町長の岡野さん、小豆島町長の大江さんによる「持続可能な観光地づくりと夕陽」の要旨を紹介します。

半井 SDGsの観光分野では働き甲斐のある経済成長、使う責任作る責任、海の豊かさを守ろう、3つの項目が役割として課されています。四国は全国に先駆けて人口減少が始まっています。20年後の予測では人口が300万人で高齢化率が40%以上。こうなると地域経済は縮小し、文化の担い手もなく継承もできなくなります。四国は2025年に向けてサステナブルアイランドを目指しています。住んでよし、訪れてよし、商いもよしの地域にしていかなければなりません。今四国で一番人を集めているのは夕陽です。夕陽をモチーフにした列車「伊予灘ものがたり」は、単に夕陽を見るのではなく地域の方とお喋りをしながら夕陽を見るところに人気を呼んでいます。

大江 夕陽は持続可能な資源の最たるものだと思っています。誰かが手を掛けなくても毎日違った夕陽を見ることができます。夕陽を落ち着いて眺めることのできる環境を作っていくべきだと考えています。

岡野 大江町長と小豆島は一つという思いで観光に取り組んでいます。高齢化で人口減少が進んでいる中、地域そのものを持続可能にしていくことは自治体の責任です。町の北側から見る夕陽と西側から見る夕陽は、すべて景色が異なります。これは小豆島の特徴なので、持続可能な観光に夕陽を取り入れていきたいと考えています。

半井 持続可能な観光を進める上で最も重要なのは人材です。

大江 移住して来られた方はスキルが高い。元々は移住の島。新しい考え方を受け入れ、外部の力も得て変えていかなければと思っています。

岡野 まずは、島に住んでもらうということが大事です。空家バンクに登録し移住者が住めるところを確保したいですね。

大江 コミュニティが弱体化してきた今、外から来た人が積極的に地域の人たちと関わることで新たなスタートが切れると思っています。

半井 瀬戸内国際芸術祭はこれまで5回開催し小豆島も会場になっています。芸術をきっかけに人と人が交流し、その地の仲間になろうという効果があります。瀬戸内芸術祭の目的の一つは島の復興です。

岡野 小豆島の人たちは観光客に対して「どこから来られたんですか」「バスの本数が少ないので時間を見ておいた方がいいですよ」と声がけしてくれます。

大江 いま外国語ガイドの育成を積極的に進めています。子どもたちの英語教育もそう。小豆島が世界から選ばれる観光地としての地位を確立したいですね。

夕陽サミットin香川県小豆島
持続可能な観光と夕陽について
意見が交わされたパネルディスカッション

夕陽観賞会 雲の切れ間からマジックアワー

夕陽サミット後、オリビアン小豆島夕陽ヶ丘ホテルの芝生広場一帯で「夕陽観賞会」を実施しました。

目の前に瀬戸内海が広がり、対岸の岡山県の牛窓や兵庫県の赤穂市を望む絶好の夕陽観賞スポットです。

参加した皆さんはスパークリングワインなどを片手にオーボエの生演奏が流れる中、ウッドデッキの椅子に着席。日没までの時間は、夕陽と語らいの宿ネットワークの顧問で俳優の油井昌由樹さん、二十四の瞳映画村の有本裕幸さん、小豆島オリーブ園の永井順也さんによる夕陽談義が繰り広げられました。

3人は、小豆島が数多くの映画の舞台に選ばれていることに盛り上がり、撮影時のウラ話などを披露。参加者をわかせていました。

当初は雲の中に隠れていた夕陽でしたが「これだけ皆が楽しみにしているんだもの、もうすぐひょっこりと顔をだしてくれますよ」と油井さんの予言通り、鮮やかな夕陽を観賞することができました。

観賞会に参加していた女性は「普段はあまり夕陽を見る機会がないので、最後の最後にきれいな夕陽を見ることができてよかったです。お日様ありがとう」と話していました。

夕陽サミットin香川県小豆島
油井さん、有本さん、永井さん(右から)
による「夕陽談義」